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今回私たちが訪問させていただいたのは近鉄大阪線高安駅から徒歩6分の場所にある会社です。

大きな看板やキャラクターの看板でお店の個性を最大限にアピール!

等身大モニュメント、高い造形技術&塗装技術で細部までリアルに再現!

というキャッチフレーズで魅力ある看板を世に出し続けています。

 

「この看板見たことある」、「知っている」と、思わず口に出してしまいそうな立体造形看板を造っています。

最初は作り方など当然わからない。しかし、そこであきらめるのではなく試行錯誤を繰り返し奥様と協力することで、ついに約10年前に処女作である「金龍」を完成させたのです。それ以来、次々と新しい立体造形看板を製作し多くの人々を魅了し続けています。

About Interview

社名:株式会社ポップ工芸
業種:看板の製造
創業:1986年4月1日
住所:大阪府八尾市高安町南6-2
ウェブサイト:http://zoukeikanban.com/

取材日:20170619
インタビュアー:かずき

まず初めに、なぜ立体造形看板をすることになったのでしょうか?

最初は普通の看板を製作していたんやけど、お客さんから立体造形看板を造ってくれないかと頼まれのがきっかけなんや。それ以降、立体造形看板に絞ってやるようになった。最初は作り方も材料も分からなかったんやけど、妻と二人で試行錯誤して最初の作品「金龍」をつくったんや。

どうして専門外の依頼を引き受けたのですか?

大事なお客さんからの依頼やから、断ることができなかったんや。

作品についてなのですが、一つの作品は何人で手掛けているのでしょうか?

その質問、よくきかれるんやけど、実はどの作品も一人で完成させてるねん。

一人でですか!!!驚きました。どうして一人で取り組むのですか?

理由は二つあるんや。

まず一つ目は、従業員は一人ひとりこだわりがあるから、「この部分はこうだ」とか、「あの部分はああだ」とか言い合いになって全員が納得できる作品が完成しないから。

もう一つの理由は、従業員同士を競わせるためなんよ。だから簡単な擦る、磨くといった作業以外は一人で取り組むように決めているんや。

なるほど。複数人で取り組むと意見が食い違い、かえって効率が悪くなるのですね。

先ほど作品を擦ったり、磨いたりする作業があると仰っていたのですが、他にはどのような作業があるのでしょうか?注文を受けてから納品までの流れを教えていただけるでしょうか?

そうやなあ。流れとしては、まずお客さんからイラストが送られてくる。そのイラストは正面だけの場合があるので、後ろなど見えない部分は自分のイメージで作る必要があるんや。

だから最初にミニチュアを作ってお客さんに確認してもらうねん。

その次に発泡スチロールで原型を作製する。原型ができたらまたお客さんに確認してもらうんや。そしてFRPのコーティングやな。材料の発泡スチロールを繊維強化プラスチックで覆うんや。

その後にツルツルになるまで磨く。そして色付けして納品という流れやな。

たくさんの工程を得て作品が出来上がるのですね。

注文から納品までの流れで特に大事にしていることは何ですか?

それは納期を守ることやな!これはどの仕事をするうえでも大切なことやと思うで。お客さんの信用を失ってしまうからね。

なるほど。やはり商売を行う上で必要なことなんですね。

ところで、HPを拝見させていただくと、無料体験会を開催しているとのことですが、どのような目的で行われているのでしょうか?

始まりは、同業者から「どのように立体造形をつくっているんですか?」、との問合せが多かったから体験会を開催して教えることにしたんや。競合他社にどうして自社の技術を教えるのかと思うかもしれないんやけど、「この技術を残していきたい」という思いがあったからなんや。それから子供たちにもモノづくりの楽しさを知って欲しいと思って、現在も体験会を続けているんや。

中村さんはモノづくりに対する強い思いがあるのですね。

それでは最後に今後、会社をどのようにしていきたいのか教えて頂けるでしょうか?

そうやなぁ。今は人手不足という問題があって、取り組める依頼にも限りがあるんや。せやから、機械を導入して作業の効率を上げていこうと考えているけど、細部の仕上げはやっぱり人間が作らな良いもんはできへんから、ぼちぼちと自分らのペースで続けていきたいなぁ。

従業員みなさんの作品を見せていただいて、確かに作品の細部に至るまでのこだわりは機械にはできないよう素人ながらに感じました。

本日は大変貴重なお時間を頂きありがとうございました!

株式会社ポップ工芸は他社には真似できない独自の技術で数々の作品を創り上げてきた企業でした。「看板は目立ってナンボ」と社長の中村さんは話され、工場の入り口は大きな立体造形が並び、中村社長の考えていることが体現されているような場所でした。専門の知識がない状態から始めて、何度も失敗し、失敗を糧に独自で考えだした発泡スチロールを使った模型、FRPのコーティングなど、技術獲得の苦労が工場に置かれていた数多くの失敗作から感じられました。また機械に頼らず手作業で生み出す作品を若い子にも伝えたい、技術を残したいという気持ちから行われる無料体験会は、「販売することだけが商売ではない」との中村社長のお考えや姿勢が感じられ、ポップ工芸の一番の魅力だと思います。誰でも見学が可能なので、是非ポップ工芸まで足を運んでみてください。きっと感動させられることでしょう。