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『安全は威力』のキャッチコピー。

世界中の緩みの許されない現場で、採用し続けられているハードロックナット。

会社設立から40年以上経ってなお、ますます支持される東大阪のモノづくり企業『ハードロック工業』の魅力を取材しました。

今回は林常務取締役にお話を伺いました。

About Interview

社名:ハードロック工業㈱
業種:製造業
創業:昭和49年4月1日
住所:東大阪市川俣1-6-24
ウェブサイト:https://www.hardlock.co.jp/

インタビュアー:よっしー

本日はよろしくお願いします。まずは経営方針についてお伺いします。

「ハードロック工業は製品ではなく価値を売っていく」という方針についてですが、具体的に教えてください。

弊社はブルーオーシャン戦略:製品に付加価値をつけ価格競争のない世界をつくっていく戦略を実践していくように努めております。

ハードロックナットの価値とは何ですか?

弊社の絶対に緩まないナットの『安全・安心=(イコール)ハードロック』です。それが、ブランド価値に繋がると思います。

次にナットについてお伺いします。

御社では「絶対に緩まないナット」が有名ですが、ナットが完成するまでに苦労したことなどはありますか?

ヒントになったのは神社の鳥居のクサビです。そこから研究を繰り返して1年がかりでようやく完成しました。

弱点は、4つありました。

1つ目に、2個使わなければ締まらないこと。2つ目に、重いこと。3つ目に、ボルトを長くしなければならないこと。最後に、単価が高くなることです。

そうなんですね。たくさんの弱点がある中でも、それを上回るだけの優れた価値のある商品なんですね。

ところで、これまでに「絶対に緩まないナット」は誰も開発されなかったんですか?

国内外でも優れた商品はなかったですね。

ですが、 実は、Uナットの延長線上で「緩まないナット」を開発しても良かったんです。

Uナットとは?

Uナットは若林社長が最初に発明した緩み止めナットです。

そしてその商品を製造するために、冨士精密製作所という会社を設立し、製造及び販売をしておりました。Uナットはハードロックナットに比べ、緩み止めの機能は圧倒的に劣るものの、安価で製造できたので、様々な箇所に現在でも使われているんです。

多くの現場で活躍しているナットなのですね。

では、なぜUナットがあるにもかかわらず「緩まないナット」の開発をはじめたのですか?

Uナットが発売されて以降、社長が想像する以上の過酷な箇所でUナットが使われ始めたのです。

例えば、ものすごい衝撃を伴う削岩機や杭打機においては、さすがのUナットも緩むことがありました。その後、売上の増加と共にクレームも同時に増加し、安心して夜も眠れない日が続きました。

それは大変でしたね・・・。

これは社会悪であり、こんな人を悲しませる会社はやがてはつぶれると強く思い、そこで、社長は”絶対に緩まないナット“を作る決意を固め、思い切って売上好調だったUナットと冨士精密製作所(現冨士精密)を共同経営者にゆずり、新たな会社ハードロック工業を一から立ち上げたのです。いわゆる退路をたった形をとったのです。

退路を断つとは?

”絶対に緩まないナット”の開発をすることで、Uナットに頼らない状況、つまり自らを追い込んだのです。

なるほど・・・!!熱意が伝わってきます。

「緩まないナット」は人の命に関わる事業領域をターゲットにしています。

従って、Uナットでは対応不可能な箇所に提供することができるので、Uナットほど数量はでていきませんでしたが、商品価値は絶大なものでした。

商品の価値、会社の価値を高めるために、具体的に何をされましたか?

大きく3つの活動をしました。

1つ目は、だれもが知っている安全の象徴である新幹線への採用が実現したこと。

2つ目は、アメリカ機械学会にて、科学的にナットが緩まないことが証明できたこと。

3つ目は、会社として社会貢献に努めていることです。従業員は毎朝業務開始前に会社周辺地域の掃除を行い、社長は、競争力がなく会社運営に悩んでいる中小企業の経営者に向けて、アイデアの開発は誰でもできるという自叙伝を出版し、国内外て数万部が売れ、その印税分をすべて東日本大震災の被災者へ寄付させていただいたり、多くの工場見学や各地での講演をほぼ無償で引き受け社会貢献活動を行っております。

御社をここまで成長させた社長の考えを教えていただいてよろしいでしょうか?

社長には、アイデアを開発するための4つの考えがあります。

  1. 経営理念の「見るもの触れるもの全て我が師である」とあるようにすべてのものに五感を働かし好奇心を持ち、頭の引き出しをたくさんもつこと
  2.  固定概念をなくし、常にオープンマインドにしておくこと
  3. 失敗を恐れず、様々な組み合わせを試みること
  4. 社員が受け入れ難い(難易度の高い)要求をし、あきらめない心を培うこと

素晴らしい考えですね。4つ目の「社員が受け入れ難い要求をする」のはなぜですか?

社長の高すぎる要求に対応しようとして得るものがあるんです。

出来ることと出来ないことはありますが…。

なるほど!御社は、どのような成長を考えていらっしゃるのですか?

弊社はまだ第一段階にいると考えています。

世界1を目指すためにブランディングをしっかりすることが重要だと考えています。

現在でもコピーをする企業が国内外にありますが、特許は期限がありやがて切れていくものですが、商品ブランドを確立することで、他社がコピーしにくい環境を創ることができると思っております。

対策として何を考えていらっしゃいますか?

3つ考えています。

1つ目は、航空宇宙から医療までのハイレベル分野にて共同開発、共同研究を行い、なくてはならない商品へと高めていく。

2つ目は、世界の方々が手ごろな値段で最高の商品を購入できるよう生産体制を構築する。

3つ目に、安全安心を提供する高い志を持った社員を育成する。

最後にハードロックのフィロソフィー(哲学)を教えてください。

「ゆるまないネジをもって、安全安心を提供し、社会に貢献する」という使命を掲げ、2つの点を意識しております。

1つ目は、従業員にはただ作業をするのではなく、この使命を心に刻んで業務にあたるよう朝礼の際にモチベーションをあげるようにしている

2つ目は、従業員全員が、S(素直)U(受入)J(実行)K(感謝)を実行すること

素晴らしいですね!!2つ目は社長の「めげない、失敗しない気持ちを持つ」という考えに繋がっていますね。本日はありがとうございました。

商品の価値を守り、さらに良いものを顧客に届けるため多くの活動を行っていることを聞くことが出来ました。ハードロックの社員さんが、商品を大事に思っており、皆が現状に満足せず、常に進化しようとする社長の信念を引き継いでいる。そして、その熱い思いと40年来の東大阪町工場の技術が、多くの有名な建造物や車両等に使われているハードロックナットを支えている。

また、社長の「固定観念にとらわれない」という考えが絶対に緩まないナットを誕生させ、進化させるのだと感じた。